リチウム化換装依頼(NUT’S製STINGRAY)
マイエボなどと銘打って作ってきましたリチウムイオンバッテリー化ですが、友人の車両をリチウム化してほしいとの依頼もあって換装作業を行いました。
人様の車両への施工、ましてや事故や発火などあってはならないことも加味するとなるとどうしても慎重にならざるを得ません。自分のマイエボでも結構その辺りの検討はしましたが、いざ人様の車両となるとホント悩みますね(^^;
部品一つでも信頼性とか耐久性とか。それでもコストダウンは必要で、信頼性とコストや安全性との兼ね合いを考えるとホント悩みます。ショップの値段設定考えると、やっぱりそういうところも織り込んでの価格設定だと思うと妙に納得したりする今日この頃です(笑)
今回のご依頼車両は次の通り。
依頼車両
NUT’S製 STINGRAY です。電装系装備は
- 200A鉛バッテリー
- 1500Wインバータ
- エアコン(外部AC接続時のみ使用可)
- ソーラーパネル
となっているようです。調べたところAC系が2系統あるようで、外部AC用のコンセントとインバータ用のコンセントが付いているとのこと。コンセントにつなぎ替えて利用する様です。またエアコンは外部AC時にのみしか利用できないようです。
電装系はL型の2ndシート下にまとめられています。
進行方向右側のシート下にダイネットへの冷暖房空調機器が半分居座っています。残りの半分のスペースに1500Wインバータ、外部ACブレーカー、AC充電器、サブバッテリーコントローラーなどが設置されています。
進行方向正面に向かうシート下には半分にFFヒーター、半分にサブバッテリー2個となっています。FFヒーターの配置が実に微妙です。
こんな感じの車両をリチウムイオンバッテリー化していきます。
この車両の主な充電方法は、通常は放置でソーラーパネルによる充電のみとし、お出かけ前日に外部ACにて補充電と冷蔵庫予冷運転とのこと。そのスタイルが最適になるように設計します。
まず目標として目指すところは次の通り。
架装目標
- リチウムイオンバッテリー化(容量はとりあえず200A→最終的に300Aになりました)
- 低温時充電抑止機能(0度以下での充電はバッテリーを傷める)
- 簡易ケアモード
- 2000Wインバータ
- 車内のAC系統を統一し、外部AC入力時、インバータ利用時に意識することなく使用可能とする
- エアコンもインバータにて使用可能とする
- ソーラーも利用可能とする(ただし走行充電時は充電効率を上げるためカットする)
- メインバッテリーも充電対応
- ソーラー充電兼走行充電max50A対応(両方併用時はmax各25A)
- 外部AC充電max40A対応
今回の仕様で費用は機器部品代だけで約36諭吉!f(^^;) ポリポリ
いくら安くなったとはいえ基本機器(リチウムイオンバッテリー、AC充電器、走行充電器、バッテリーモニター、正弦波インバータなど)だけで全体金額の80%以上を持って行かれるのは何とも言い難いですね。それでも正弦波インバータ等は安価な中華製を利用しているので10諭吉以上安くはなっているんですけど…(苦笑)
200A容量のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーシステムのお値段として高いのか安いのか?
鉛バッテリーなら交換でも6万前後と考えると金額的な元は取れないかもしれませんが、QOLとして考えたら今までの鉛バッテリーシステムとは全く別の感じでとても快適になると思います。
エアコンや電子レンジ、ドライヤーなど概ねすべての電化製品がまぁ気兼ねなく使えますし、おそらく鉛バッテリーで感じていた使える容量よりだいぶ多く使える感覚になると思います。また走行充電も終始高電流で充電できるので、今までよりも充電が早く感じるようになると思います。
あとおそらく乗り換えるまではバッテリーの交換は必要なくなるはずです。そう考えるとあながちこのお値段は納得できるのかな~?
以前自分のキャンピングカーを事故で焼失させた経験があるので、この手の電装品で出火して焼失ってのはどうしても避けたいという思いが強いです。そのため部品選定はだいぶ気を遣って選びましたが、利益&人件費抜きの原材料費でこのお値段。ショップが看板背負って請け負うと思ったらそりゃぁお高くなりますよねぇ。アフターフォローもあるし…。実際に自分で材料集めて作ってみるとこのあたりホント身にしみますね~。
こんな大金を素人の私に払って換装してねって言っていただける勇気ある友人のご決断感服いたします!(苦笑)これはしっかり作って対応しないといけませんf(^^;) ポリポリ
この車両はガソリン車で、オルタネータ容量は公称80Aらしいので、サブの充電に回せる電力はそんなに多くは取り出せないと思われます。オルタネータから直接32sqあたりの太い線で引きだせば少しは多く引き出せる可能性もありますが、換装作業当日は作業時間もあまりとれない可能性もありますので、まずは標準の状態で作業していこうと思います。
一応30A以上引き出せればありがたいのでmax50Aまで対応している走行充電器を利用します。
というわけで換装作業前の電装中枢部はこんな感じ。
写真上部が車両右側になります。
1つめのシート下に冷暖房機が半分居座ってます。残り半分に走行充電器やインバータ、AC充電器などが設置されています。2つめのシート下にFFが半分。残り半分がバッテリーでした。
基本構成は変えると手間が増えるのでこの構成を引き継ぐ形でリチウム化します。
もともと付いている機器類で使えた物はヒューズボックスぐらいでしょうか。他の機器は古いこともあってサイズの問題をクリアできなかったので、残念ながら再利用をあきらめました。
今回新たに制御ユニットを製作し、必要な機器類と共にこのスペースに格納します。予想に反してスペースが狭くだいぶ苦戦しましたが、何とか納めることができました。
できあがった換装後はこちら。
いや、もうびっちりですねf(^^;) ポリポリ
2つめのシート下が一部開いているのですが、そこは300Aにしたいと言った場合の最終設置スペースなので手をつけるわけにはいきません。机上の計算では何とか収まるとは分かっていたのですが、実際に設置すると配線の関係などで苦しめられましたが、なんとか無事納めることができました。
換装後はインバータでレンジもエアコンも稼働できることを確認しお引き渡し。QOL向上してより楽しいキャンカーライフが送れると嬉しいですね!
アフターフォローもついて回ること考えたらショップは大変だよな~って思っちゃいました。ちゃんと資料残しておかないといけませんね!
暑い中お疲れさまでした!
実践活用で色々データが取れると今後に生かせるよね!
JUNちゃんこんにちは!
車お預かりで作業とは違って1泊でも当日の生活できるところまで作業しないといけないので時間との戦いでしたね(苦笑)
オルタネーターからの配線引き直しとかできたらもっと走行充電量上げられるんでしょうけど、そこまでの作業はなかなかね~(^^;
それでも制御系も刷新しましたから鉛バッテリーよりは快適なキャンカーライフが送れるはず!たぶん!きっと!(笑)
今まで封印されていたエアコンがどこまで使えるか楽しみですね!