リチウム化換装依頼(NUT’S製CREA5.3X Evolution 4WD)2022/08/02追記更新

DIYを実践される方へお願い

当記事の内容はすべて自己責任において実施されている内容です。記事の内容を元に改造を行った場合に発生しうるいかなる責任も当方には発生いたしませんことご理解ご了承ください。また同様に改造を行った結果不具合が発生した場合、車両販売元のナッツでの保証が受けられなくなることをご理解ご了承ください。あわせて当HPの快適化内容はナッツでの改造として受け付けられているものではありません。ナッツでの安全保障確認ができているものではありませんので、記事内容の改造快適化をナッツにご依頼することはおやめくださいますようお願いいたします。すべて自己責任であることをご理解ご了承の上お楽しみいただければ幸いです。

Evolution タイプへのリチウム換装3台目。

今回は同じくCREA EVO乗りのT氏からリチウム化換装依頼をうけました。T氏はCREA’Sで自分の作業をお手伝いしていただいている有能な方です。ワンちゃんと一緒にお出かけされるので何よりエアコンの稼働時間がネックだったそうです。以前に鉛500A化もおこなっていましたが、やはり鉛の500Aではエアコン連続稼働が心許ないとのことで、今回ついにリチウム化に踏み切られました。

以前にも書いていますが、人様の車両への施工、ましてや事故や発火などあってはならないことも加味するとなるとどうしても慎重にならざるを得ません。自分のマイエボでも結構その辺りの検討はしましたが、いざ人様の車両となるとホント悩みますね(^^;

部品一つでも信頼性とか耐久性とか。それでもコストダウンは必要で、信頼性とコストや安全性との兼ね合いを考えるとホント悩みます。ショップの値段設定考えると、やっぱりそういうところも織り込んでの価格設定だと思うと妙に納得したりする今日この頃です(笑)

お願い

近年のリチウムイオンバッテリー(LiFePO4)は内蔵BMS(バッテリーマネジメントシステム)の性能が向上し、異常時には充電を抑止したりする機能が装備されています。ただし、その抑止機能はあくまでも最終案全装置としてとらえるべきであると考えます。

鉛バッテリーのシステムにリチウムイオンバッテリーをポン乗せしてハイOK!というのはあまりにも乱暴ではないかとおもいます。

リチウムイオンバッテリーは安全で安定しているバッテリーとはいえ、ひとたびバッテリー内部で損壊、ショートしたりすればドラゴン花火のように火花と炎を吹き上げ出火爆発します。

バッテリーが煙を噴いてるのを見つけて取り出して対応すればいいやなんて考えている人がいましたらそれは大きな間違いです。実際そんな時間的余裕なんてありません。事が起きれば数秒程度で出火爆発に至ります。

火災で焼失なんてもう自分だけで十分です(自分は横転出火ですが、苦笑)

というわけで、もし自身で自己責任においてリチウム化にチャレンジされる方は、安全対策を十二分に、10年スパンでの長期使用に走行振動などを鑑みて、簡単に考えないように慎重におこなってくださいね!

今回のご依頼車両は次の通り。

依頼車両

NUT’S製 CREA 5.3X Evolution 4WD です。電装系装備は一部改造済みで

  • 500A鉛バッテリー

となっている車両です。

ソーラーパネルもついています。

前回の車輌との違いはモデルチェンジ前の内外装の為、セカンドシート下部分の基礎構成が異なります。旧モデルはセカンドシート下が鉄骨フレームとなっているのでそれに伴う対応が必要になります。

こんな感じの車両をリチウムイオンバッテリー化していきます。

まず目標として目指すところは次の通り。

架装目標

  • リチウムイオンバッテリー化(600A)
  • 走行充電回路をリチウム対応(充電量MAX60A)
  • エボリューションシステム特有のインバーター充電時には元々の性能を発揮出来るよう対応(充電量MAX40A)
  • ソーラー充電回路もリチウムイオンバッテリー対応

今回の仕様で費用は機器部品代だけで約50諭吉!Σ(゚д゚lll)セールで安かったですがそれでも片手ですf(^^;) ポリポリ

この価格を想像するだけでおいそれとは自己チャレンジ出来ませんf(^^;) ポリポリ
今回被験者になっていただけたT氏には感謝しかありませんね!

というわけで換装作業前の電装中枢部はこんな感じ。

施工前の実車の写真は取り忘れたので同じ構成の自分の車両の写真です(笑)

おなじみEvolutionユニット
AC充電器x2に鉛バッテリー300A+200A

基本構成はエボリューションシステムの鉛バッテリー5つ。

これらをリチウムイオンバッテリー化していきます。

用意した部材

  • Renogy DC-DC 走行充電器 60A
  • Renogy Rover 20A 12V/24V用 MPPTチャージコントローラー
  • Renogy ヒート機能付き スマート リン酸鉄リチウムイオンバッテリー100AH 12V ×6台計600AH
  • 改良型エボシステム対応リチウム化対応ユニット
  • 配線用部材各種

換装時に注意した点

  • 極力既存のエボリューションユニット自体に手を入れない
  • 走行充電時とインバーター充電時のそれぞれにおいて、最良の充電量を確保出来るようにする
  • 長期使用する回路のために、出来る限り安全性、信頼性の高いパーツを使用する
  • 出来る限り振動による接触などの摩耗ショートを考慮した配線にする

換装した際の作業写真は撮れなかったのですみません。最終完成写真のみです。

フレーム構成への干渉もあるので素直にセカンドシート下へバッテリー3台設置。残りはサードシート下へ。

ザードシート下にバッテリー3台。奥の1台はシートベルトテンショナーに干渉するため若干外側にずらしました。あとマルチルーム側10cm程は床面に傾斜が付いているので注意が必要です。

改良型エボシステム対応リチウム化対応ユニット

なんだか大げさになってきてます(苦笑)

今回搭載するリチウムイオンバッテリーもヒート機能付きです。

ヒート機能付きを採用する理由

  • リチウムイオンバッテリーは0度以下で充電すると、リチウムに棘が発生して絶縁体を破ってショートして発火する可能性がある
  • ヒート機能無しのバッテリーを採用した場合、外部で温度制御が必要になるので内蔵が選択出来るのであればそちらがより安全
  • 温度系安全確保に手間いらず(笑)

低温対策は問題なし。

廃熱対策についてはN氏の車輌同様クロスフローファンにて廃熱をできる様にしてあります。

前回リチウム搭載のN氏のレポートから充電器の発する廃熱によって充電が停止する件の報告は受けていましたが、現状でも通常運用は可能なため廃熱に関しては大々的に改修をすることとし、対策をまとめつつ後日対応としています。

リチウム化に伴うメリットデメリットをまとめておきます。

メリット

  • リチウム600A化により電力事情が大きく改善
  • 走行充電は概ね50Aで充電が可能(満充電直前まで維持)
  • 外部AC充電は概ね40Aで充電が可能(満充電直前まで維持)

デメリット

  • 充電器が全力で動くため廃熱がすごい
  • セカンドシート下の廃熱をしっかりおこなわないと充電器が高温エラーで充電停止する ※対策検討中
  • 走行充電をおこなっているとメインバッテリーからの持ち出しが発生してメインバッテリーが上がる場合がある。常時50A近くを充電するためにオルタネータからの供給では足りずメインバッテリーから持ち出ししてしまう(エアコン、ワイパー、ヘッドライト等の使用条件によります)
    鉛バッテリーの場合は満充電に近づくに従って充電電流が低下するため発生しにくい。リチウムバッテリーの場合は満充電まで充電器の出せる能力を維持するので発生しやすくなる。特にバッテリ総容量が大きくなればなるほど充電時間が長くなるのでより生しやすくなる。
    ※これらの問題については現在対策検討中

注意点 2022/07/27更新

  • 今回換装した車輌に搭載されていた外部AC充電器は旧モデルの CH-1225GTP(すぐれもの充電器)であることが判明
  • CH-1225GTP は電源ON時の充電フローが、フロート充電から始まって3A以上充電電流が流れるとブースト充電に移行する仕様とのこと(未来舎確認済み)
  • 上記仕様のためリチウムイオンバッテリーのような大容量で電圧低下のおきにくい場合、バッテリー残量が少なくならないとブースト充電に移行しない場合が発生する
  • 一方外部AC充電器 CH-1225GFP(すぐれもの充電器)は電源ON時にブースト充電からスタートして、3A以上充電電流が流れればブースト充電を維持。3Aを切ってくればフロート充電に移行する仕様

モデルによって充電開始時のフローがちがうとの情報をコメント欄で頂けて、改めて製造販売元の未来舎に確認したところ上記のような内容であると判明致しました。やさぶろー氏にお礼申し上げますm(_ _)m

さて、新たに判明した外部AC充電器の動作の違い、どうしましょうかf(^^;) ポリポリ

新しい現行モデルに買い換えればいいのでしょうけどそれなりに諭吉が必要です。出来れば何とか対策したいところですが…
しばらくは今後の課題になりそうです(笑)

2022/08/02 更新

いろいろ実験した結果、やはり大容量のリチウムイオンバッテリーに対して旧モデルの CH-1225GTP(すぐれもの充電器)では満足行く結果を得られませんでした。

充電器としては動作してくれるのですが、バッテリー残量が多い状態では充電開始にならないことが多く、キャンピングカーのように満充電にしてからお出かけしたい場合には向いていません。

結局、現行型のCH-1225GFP(すぐれもの充電器)に買い換えることで対処する結果となってしまいました。

リチウムの恩恵をバッチリ受けようとするとまだまだ詰めていかなくてはいけない事が多いですね。特に鉛バッテリーを想定されて作られているシステムへの組み込みにはいろいろと対応が必要なようです。

先駆者2名の尊い漢気によって徐々にリチウム化への対策方法が解析されてきています。本当に感謝です。
今後ともご協力をお願いします(笑)

リチウム化換装依頼(NUT’S製CREA5.3X Evolution 4WD)2022/08/02追記更新” に対して8件のコメントがあります。

  1. テンマ より:

    はじめまして、テンマと申します。

    この度クレアを購入予定でしてブログを拝見させて頂きました。
    購入予定のクレアでは清水タンク60Lが標準装備で、温水ボイラーをオプションで検討しているのですが、とっぷあうとさんは使用後タンク内の清掃はどうされているのでしょうか?
    ミルトン系だとステンレスタンクは錆びやすく、重曹だと温水ボイラーのアルミが駄目と見かけたので悩んでいます。
    突然の質問で申し訳ありませんが、参考までに教えて頂けたら助かります。

    1. とっぷあうと より:

      テンマさん、こんにちは!

      購入予定とのこと、いろいろ調べている時間も楽しいですよね~(^^)
      CREAの60Lタンクと温水ボイラーの保管清掃ですね。
      やったほうがいい気もするのですが、懸案されている事項を私もネットで見ていたので自分は特にやってないです(苦笑)

      自分は使った後は清水を先に排水して、最後に温水ボイラーを排水しています。
      温水ボイラーは自身の熱で殺菌消毒されていると思うので、新たな水が入らないように排水を最後にしています。
      排水タンクは排水し終わった後にホースを突っ込んできれいな水で内部を流し洗いはしています。納車後3年ほど経過していますが、今のところ清水が匂うとか排水が匂うといったことは起きていません。

      匂うようになったらあきらめてミルトンとか使ってみようかな~とは思っていますが(苦笑)

      こんなのでお役に立てれば幸いです!

      1. テンマ より:

        返信いただきましてありがとうございます。
        特に排水以外はやられてないんですね
        今までポリタンク式だったので、今度は見えない分心配してたんですが、3年使って問題ないなら気にしなくても大丈夫そうですね。
        丁寧な返信ありがとうございました。
        これからもちょくちょくブログを拝見させていただきます!

        1. とっぷあうと より:

          テンマさん、こんばんは!

          本日真夏の暑い日に日帰りでお出かけしてきたのですが、帰宅後排水したところ給水タンクの水がお湯に40度位の代わっていました(苦笑)
          路面の放熱に合わせて床下エンジンからの廃熱によって給水タンクが暖められてお湯になってしまったようです。
          40度程度のお湯では雑菌も繁殖しやすくなるのであまりいい感じではないな~と思った次第です。

          いろいろネットでの情報を拾ってみたのですが、やはりミルトン系で消毒をするのが一番確実なようですね。この辺りは自己責任の範疇になってしまうので何とも言えませんが、あまり気になるようでしたらそういった消毒系も検討されてもいいかもしれません。

          帰宅後のメンテナンスがかなり重要になる感じもしますね。
          一度排水したら塩素の十分含まれている水道水を一度通しておくというのも一つの方法かもしれません。

          正解はありませんが日々のメンテナンスでかなり変わるんじゃないかなという感想でした~

  2. やさぶろー より:

    ここ数年でいろいろな種類の昇圧型走行充電器がでてきたことは素晴らしいことなのですが、充電制御式のオルタネータに対してはメインバッテリの電力を引っ張ってしまう問題が避けられませんね。これはエボリューションのインバーター充電でも同じことが起こります。
    オルタネータの充電制御に干渉することができれば理想なんですが、現代のICレギュレータ式オルタネータでは現実的には不可能なんですよね、、、
    レノジーの60A走行充電器には充電能力を半分にする機能がありますから、電圧検知で充電量を制御する方法が現実的なところでしょうか。

    1. とっぷあうと より:

      やさぶろーさんこんにちは!
      流石お詳しい、頼もしい限りです!(^^)

      ご指摘の通り、対策としてごRenogyの走行充電器の充電能力を半分にする制御機構を導入する予定(効果をテストしてから)です。
      とりあえずはメインバッテリー側の電圧を監視して指定電圧を切ったら半分に、スレッショルド設定で指定電圧を超えたら全力充電に復帰みたいな感じを予定しています(^^;

      あとはシフトP状態とか速度検知で低速時は同じ制御を入れることも検討していますが、それは半減テストで電圧維持が確認出来たらですかね~(笑)

      まぁこの現象は現状のEvoシステムでもハイパーでも起こりうる現象ではあるんですけどね(^^; ハイパーはキット対策仕様としている機能は実装していると思います(笑)

      世の中のリチウムバッテリー換装車で走行充電器を付けてる車輌も対象ですねf(^^;) ポリポリ

      1. やさぶろー より:

        車両の電圧は意外と変動が激しいので、電圧監視でスイッチングする場合はある程度の平均をとって閾値を設定しないと厳しいかと思われます。
        私の知り合いはLC端子のON/OFFを運転しながら手動スイッチでやってましたけども笑

        すぐれもの充電器(CH1225GFP)は、基本的に充電開始時はブースト充電になるはずですよ。その後電流が3A以下でフロート充電になります。
        これが少し古い型である「CH1225GTP」だと、まずフロート充電→電流が3A以上流れる→ブースト充電というフローだったようですが。
        すぐれもの充電器は鉛用とはいうものの、ディサルフェーションやパルス充電のような余計なことはしない(笑)単純なCCCV充電なので、電圧値さえ間違えなければリチウムイオンバッテリでも問題ないようです。

        1. とっぷあうと より:

          やさぶろーさん、こんにちは!

          電圧監視では変動が大きいのはおっしゃるとおりですね~f(^^;) ポリポリ
          確実なのはパーキングか車速ですね。流石に手動は避けたいです(笑)

          すぐれもの充電器(CH1225GFP)と(CH1225GTP)では充電フローが異なるんですか!?
          それは貴重な情報をいただきました~!q(^0^)p
          まさか型番ちがうとそこが異なるとはf(^^;) ポリポリ
          今悩んでる案件があって、ちょっと光が見えた気がします!
          未来舎に確認して見たいと思います~(^^)>
          ありがとうございましたm(_ _)m

          すぐれもの充電器、派手な飾り気のない機能の充電器ですが、基本を抑えた充電器ですね。調べれば調べるほどよく考えてあるな~って感じです。

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