EvolutionSYSTEM(エボリューションシステム)の感想
2代目クレアは、ナッツ独自の進化した革新的充電システム「EvolutionSYSTEM」を搭載しています。
- アイドリングだけで家庭用エアコンがずっと使えます。※環境による
- ソーラー充電&外部充電にて、サブバッテリーだけでなく、メインバッテリーも充電OK!
- 走行すると4~5時間で、「3個」のバッテリーがほぼ満充電に!走行中はさらに早く充電。
- 旅先でメインバッテリーが上がっても、サブバッテリーでエンジンを始動するとができます。
が売りのシステム。自分は使って見てダメなら後付けでソーラーパネルを検討すればいいかと思い、この売り文句に乗っかってソーラーパネルは付けていません。今回初お出かけでその実力を検証してみました。
当然新しいのでバッテリーの劣化などは加味されていません。今後徐々に劣化はしていく事は頭の片隅に入れつつレポートをお読みください。またあくまでも個人の感想・所感ですので、間違っているところがあるかも知れません。ここを読んでナッツに文句を言わないでくださいね(苦笑)
EvolutionSYSTEMのコア技術としては
- オルタネータからの充電経路を最適化し、ベース車輌からの充電をより効率良く早く充電可能としている
- インバータを利用して100V充電器(昇圧機能付き22.5A)を2基駆動し、合計max45Aの充電を可能としている
が基本部分です。
初のお出かけで一晩電力を消費しまくって、max300Aの容量を残量130A程度にまで減らしたところから、どのように充電されていくのか様子を見てみました。
まずエンジンを掛けアイドリング状態での充電電流は概ね50A以上を表示していました。アイドリングでこの量を充電出来ればかなりいい感じです。
走行中の充電電流はアイドリング以上を表示していました。多いときでは80A!凄いですね。これもなかなかの充電量です。その後市内走行を小1時間。
うたい文句のとおり結構早い内に80%程度まで回復してきました。2~3時間程度で80%程度まで復活出来れば移動しながらのキャラバンなら外部充電は要らない感じです。(もともと消費量が少なかったのもあります)
EvolutionSYSTEMのキモはここからです。
バッテリーの充電は満充電に近づくにつれ充電電流が下がってきてバッテリーに充電出来る量が減ってきます。バッテリーの電圧も上がってきて充電する電圧と拮抗してきてしまうからです。
簡単な例えで言うと、充電する電圧とバッテリーの電圧、この差が坂の角度だとします。最初バッテリーの電圧が低い場合は充電電圧との差が大きいので角度が急になります。急な場合は下る勢い(充電電流)が大きくなります。充電が進んでバッテリーの電圧が上がってきて充電電圧に近づいてくると差が小さくなるので角度が緩くなります。坂が緩いので下る勢い(充電電流)が小さくなります。
電圧の差が少ないと坂が緩くなるので下る勢いが低下する=80%を超えて来ると走行中でも10A~20A程度にまで落ち込んできます。そうするとmax300Aを満充電にしようと100%に近づけば近づくほど充電電流は減ってきてしまうので、そこそこ時間が必要になってくるのです。
取扱説明書にEvolutionSYSTEMはアイドリング時に使ってくださいという記述がありますが、自分が使ってみた感じでは充電電流が40Aを下回ってきたら(EvolutionSYSTEMの2基の充電器の最大合計充電容量を下回ったら)、EvolutionSYSTEMをONにするのがいいのではないかという感じです。
つまり充電容量100%に近づくにつれ充電電流が30A、20A、10Aと減ってきます。充電電流が減ってくると充電に時間が掛かりますが、EvolutionSYSTEMをONにする事で22.5Aの充電器2基が全力運転をする事で合計最大で45Aの充電をおこなう事が可能なのです。ただし先ほども言ったように電圧が拮抗している状態ではいくら電流が出せると言っても意味がありません。そこでEvolitionSYSTEMの充電器の昇圧機能を利用して電圧を上げてあげるのです。これにより電圧差が生まれ充電が可能になるのです。
オルタネータの発電の場合は通常車輌の電圧12V(14.2V程度)が最大ですが、搭載されている2基の充電器は昇圧という仕組みを使い、14.2Vよりも高い電圧にてバッテリーに押し込んでいくのです。それでも満充電の300Aに近づくにつれ充電電流は下がってきますが、通常に比べたら雲泥の差です。
ただし、エアコンを使っていたり100V系の高消費電力な物を利用しているとブレーカーが上がってしまいます。その際は充電切替スイッチを使って充電器を1基にする事で対応ができますが、引き替えに充電時間は伸びます。その場合でもmax22.5Aでの充電が可能な訳ですから中々だと思います。
この仕組みを利用して短時間で充電を完了させるシステムこそがEvolutionSYSTEMの神髄であると言えます。
途中充電電流が40Aを下回ってきたのを確認しEvolutionSYSTEMをONにしました。自宅に到着する頃には充電量100%になってました。うたい文句のとおり大体4~5時間程度で充電完了となりました。連泊でもある程度走るかアイドリングで充電回復できるメリットは大いにありますね!(充電切替スイッチにて1基充電とした場合は、通常充電の充電電流が20Aを下回ったらEvolutionSYSTEMを使うのがいいと思います)
ただし、夏場の炎天下は昼間の移動時にもエアコンをONにするでしょうから充電も厳しくなる気がします。夏場を一度過ごしてみないと何とも言えませんが、ソーラーもあれば夏場は安心度が増す気がしました。
1つ注意しなければいけないのは、とにかく最初からEvolutionSYSTEMをONにすれば早く充電が完了する訳では無いと言う事です。充電電流が40A程度を切ってからEvolutionSYSTEMをONにする事で、より早く充電が完了するのです。オルタネータを利用した充電でも80A位をたたき出しますから、最初はEvolutionSYSTEMをOFF状態でオルタネータに任せる。あとは適宜充電電流を確認し40Aを切っていれば最後のブースト充電! EvolutionSYSTEMをONにする。
雑感ですが、店舗でもこのEvolutionSYSTEMの仕組みと意味を正確にお客に伝えられていない感じを受けました。非常にもったいない気がしました。出来ればこう言う状態で使うのが一番いいんですよ~ってのが伝わってない?とりあえず特に何もしなくても十分充電されます的な説明はよく聞きます(笑)もしかして気にしなくてもいいほど充電が早いってのが売りなのかもしれませんね。
ナッツが後付けで昇圧機能付きの充電器をポン付けしてもEvolutionSYSTEMにはならないと言っているのは、システムとして同じにはなりませんよという事ですね。似た仕組みは後付けでも可能です。ただし今よりも充電は早くなりますが全く同じものにはなりません。改善はします。
- 十分に容量の大きなオルタネーター
- オルタネーターからサブバッテリーへの十分太いケーブルを使った経路
- 昇圧機能付きの100V充電器(平行運転可能なもの)
- これらの充電方法に対応出来るバッテリー
- これらを束ねて制御する機構(細かなフェイルセーフ込み)
これら構成要素の全てについてマッチングをとってできあがっている、その名の通りEvolutionSYSTEMなんですね。 スイッチONしてからがEvolutionSYSTEMでは無いと言う事ですね。
ここからは余談です。CREAに搭載されているバッテリーは、ACDelco Voyage M31MFです。容量は115Aで、それが3個並列に接続されています。このバッテリーの推奨充電電流は20Aって取扱説明書には書かれてるので、このシステムのような急速充電をおこなうと劣化が早い気がします。ただし何を取るかという話しですので、一概にEvolutionSYSTEMがダメというお話しではありません。
2021/8/17 補足
M31MFが推奨充電電流20Aに対して急速充電をおこなうと劣化が早いと書いちゃってますが、実際には走行充電でMAX80A程、その後満充電に近づくにつれ電流は低下します。インバーター充電モードでもMAX40A程度。これらがバッテリー3個に分配されるので1個あたりの電流値は80A÷3個で約27A程度。思ったほど高負荷でもありません。それに劣化しやすいのは満充電になってからも20Aを越えて充電したりするのが問題になりますので、仕様的に行っても劣化しやすいという表現は少し言いすぎでした(^^;
お出かけしてエアコンを快適に使えて、充電が早いから翌日もエアコン使える、旅に出かけて不自由なく快適なお出かけが出来る。自分が一番求めている点はそこです。その為にバッテリーの劣化が犠牲になるのは仕方が無い。まぁあっちもこっちも両方取ろうとすると何かが犠牲になります。この場合は充電時間が犠牲になる。限られた物の中で現在出来うる最良の選択がEvolutionSYSTEMでしょうか。キャンカー利用中のQOL(クオリティ オブ ライフ=生活の質)が向上すれば本望なのだと考えれば間違いではないのかも知れません。
発電機積めば解決とかそう言う話しは無しで(笑)こまめな充電はバッテリーをいたわる基本なのでソーラーパネル付けた方がいいのかな~と思った次第です。
所感と言った形でつらつらと感想を述べてみましたが、少しはEvolutionSYSTEMの感じをお伝えできたでしょうか?検討中の方のお役に立てれば幸いです。
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